SAPマイグレーションの種類とは? どうやればいい長所と短所を解説

SAPマイグレーションには貴社の方針に基づきいくつかの種類があります、既存の資産をマイグレーション後も継続して使いたい会社様がいます。また新たなIT社会の進化に対応すべく、既存の資産を捨て去って、DXに対応出来る新機能を新規導入したい会社様もあります。そしてその両方を実現したい欲張りなお客様等もいます。様々なご要望に対しまして、マイグレーションの種類について、解説していきたいと思います。

SAPマイグレーションのニーズ

※ここではS/4HANA(SAP Business Suite 4)へのマイグレーションを前提とします。

テキスト

中程度の精度で自動的に生成された説明

 

インテリジェントエンタープライズ

グラフィカル ユーザー インターフェイス

自動的に生成された説明

まず、マイグレーションのニーズですが、上記「SAP S/4HANAへの移行について」のアン

ケートによりますと

<365社中>

◇マイグレーション予定あり39%

この層の方々はマイグレーションに積極的ユーザーだと思います、

「多くの企業にとって、マイグレーションは、旧来システムのしがらみを一掃するチャンスでもあり、多くの企業はインテリジェントエンタープライズ及び内包されるAIおよび機械学習、IoT、アナリティクスに代表されるインテリジェントテクノロジー(新技術、価値の享受)等デジタルトランスフォーメーションを実施する良い機会になると期待しています。S/4HANAがこのデジタルトランスフォーメーションの加速に役立つ或いは長期的に見ると、S/4HANAでなければ使えない機能が出てくるであろうと考えられていると思います。」

・移行の意思決定がされた後、もしまだ決まっていない場合は移行方法を決めて行く事になります。

◇マイグレーション予定なし50%(内32%は時期検討中、18%はSAP継続利用を含めて検討中)となっております。 

この層の方々はマイグレーションに消極的(慎重な)ユーザーだと思います、

・消極的でも2025年(2027年)には保守切れになるのであと数年の間にはマイグレーションしてSAPを使い続けるのか、又は他のERPへ乗り換えるのかを決めなくてはなりませんただし残り時間が僅かです、なぜなら保守契約を2025年から2027年に延長するためには、SAP EHP6以上が適用されている必要があるからです、EHPが6未満のユーザーもまだまだいらっしゃるようです。あと他の選択肢としては第三者保守会社へ委託する決断です、会社に寄っては「最低15年、ECC6.0をお預かりさせていただきます。」と謳っている会社もあるようですので12~13年間塩漬けで資金を貯め、次の時代を見据えてIT要員を育て10数年後の時点で将来的に最も有効なITソリューションへ投資すると言う手も無いとは言えません。

SAPマイグレーションの種類

次から、以下の3種類のご説明を致します。

SAPマイグレーション種類① システムコンバージョン 

SAPマイグレーション種類② ニューインプリメンテーション

SAPマイグレーション種類③ セレクティブデータトランジション

SAPマイグレーション種類① システムコンバージョン(資産継承)

 「ブラウンフィールド」と呼ばれています。

Scenario

長所

  • S/4HANAの新機能に対するインプットデータとして「導入以降の全てのデータを活用出来る」事になります。グリーンフィールドでは残高のみや年度で区切った一部のデータを移行するのが主な移行内容となりますので、限定的な分析しかできません。ブラウンフィールドでは既存環境の全てのデータを活用出来るので、過去分の分析が可能になります。
  • ブラウンフィールドでの移行は、既に稼働している仕組みが有り、業務フローやオペレーションは現行を踏襲し、データもそのまま引き継ぎが可能です。よって業務プロセスへの影響が少ないですし移行コストと期間の圧縮ができ、ユーザー部門の負担もわずかで済みます。
  • アドオンもシステム変換後に調整すれば継続して利用できます。
  • 既存のSAP GUIが継続利用できますが、SAP S/4HANAが新たに採用した新GUIのSAP Fioriも利用可能です。
  • ほとんどの機能は既存環境と変えずに利用可能です。ただし、高度な分析や機械学習など、SAP S/4HANAで追加された新機能の利活用は、最小限に留まります。

短所

  • アドオンは基本的に踏襲出来ますが、標準・アドオンともにS/4HANA化の調整は必要となります。
  • 稼働しているため「会社のダウンタイムに対する許容度が限られている場合、ブラウンフィールドは困難になる可能性があります。
  • 移行されたシステムにはSAP S/4HANAのすべての利点が含まれていますが、システムのセットアップ方法を大幅に見直すことはできません。
  • 現行を踏襲しているため、標準化が少ない。
  • 新しい機能を活用する機会が少ない。
  • ビジネスプロセスは現行ECCと同じで機能もECCと同じとなります。
  • 基本現行踏襲の為、SAPS/4HANAの新機能の享受が難しく、第二フェーズに分けて計画するのが良いのではないでしょうか。
SAPマイグレーション すべての選択肢 大全集

SAPマイグレーション種類② ニューインプリメンテーション(新規導入)

 「グリーンフィールド」と呼ばれています。

グラフィカル ユーザー インターフェイス, アプリケーション

自動的に生成された説明
グラフィカル ユーザー インターフェイス, アプリケーション, Word

自動的に生成された説明

長所

  • グリーンフィールドアプローチでの実装は、SAP S/4HANAを使い始める最も簡単な方法です。
  • 最新のイノベーションに基づいたリエンジニアリングとプロセスの簡素化が可能になります。
  • 新しいプラットフォームで事前設定されたコンテンツを使用して革新的なビジネスプロセスを実装し、Model Companyを使用する(ベストプラクティスベース)事が出来ます。
  • インテリジェントテクノロジー(新技術、価値の享受)等デジタルトランスフォーメーションを実施する事が可能となります。

短所

  • すべてのシステムカスタマイズを再開発します。
  • 現在のすべてのビジネスプロセスを廃止して再構築します。
  • Testケース、レポート等を一から作成します。
  • 基本的に履歴データがないので、参照の為だけに旧システムを残すことも有り得ます。
  • コストが非常に高くなり、期間も一番長くて、リスクも一番高いです。

SAPマイグレーション種類③ セレクティブデータトランジション(ハイブリッド)

 一部で「ブルーフィールド」と呼ばれています。

テキスト が含まれている画像

自動的に生成された説明
ダイアグラム

自動的に生成された説明

長所

  • マスタデータと未決済明細のみならず、全てのトランザクションデータあるいは選択されたデータを移行出来ます。
  • データは、完全または選択データを移行します(組織単位ごと)。
  • 複数のシステムからデータを移行、またはアプリケーション関連のデータをS / 4HANAベースのソリューションランドスケープへ移行出来ます。
  • システムランドスケープの自動スキャンにより、オブジェクト、カスタマイズ、および使用状況を特定します。
  • S/4HANA化への影響を予測する自動プロセススキャン。 その後、必要に応じて軽減します。
  • S/4HANAシステムをすばやく作成します。
  • 1度のプロジェクトで機能拡張とデータ移行、S/4HANA化の全てを実施出来ます。
  • 新しく最適化されたS / 4システムが稼働します。
  • 旧ビジネスプロセスを踏襲しながらS/4HANA最適化及び新機能への置き換えが出来ます。
  • (データ層とリポジトリ層を分離することで)、複数の要件を一つのプロジェクトに集約できます。 これによって、テスト工数が削減でき、プロジェクト期間を短縮できます。
  • Selective+ダウンタイム削減(Near Zero Downtime)機能によって、本稼働時のダウンタイムを削減できます。

短所

  • 下記記載しますが、このアプローチを使える会社、要員が少ないという事です。”SAP S/4HANA Selective Data Transition Engagement,” 世界でドイツ企業4社のみ。選択的なデータ移行のためのソフトウェア、ツール、およびサービスを提供する5つの組織があります。
  • SAP(DMLT)
  • CBS
  • ナチュビオン
  • SNP
  • Datavard

 ※2021年7月にSNP社がDatavard社を統合したのでSAP+3社になります。

ロゴ, 会社名

自動的に生成された説明

パソナテックではSAP S/4HANAマイグレーションを検討する際に欠かせない、考慮すべきポイントをまとめた入門資料「SAP S/4HANAへの道知っておくべきこと、今からやれること、とは?」をご用意しました。本資料は、SAP S/4HANAマイグレーションへ進む方へ必見の資料です。ぜひダウンロードいただき、ご覧ください。

SAP S/4HANA マイグレーションで知っておくべきこと、今からやれること、とは?
SAP FioriとBTPが理解できる基本ガイドブック