SAPユーザーのサポート期限が2027年に迫っています。SAP2025年問題や2027年問題と呼ばれますが、SAPユーザーにはどのような選択肢があるのでしょうか?またSAP S/4HANAへ移行するための「SAPマイグレーション」にはどんな種類があるのでしょう? SAP移行方式の種類と、SAPマイグレーションサービスを提供するSAPベンダーを徹底比較し、おすすめのサービスを詳しく解説していきます。「まだまだ間に合う!時間はタップリある」と思っているSAPユーザーは必見の記事です。
SAPマイグレーションの種類は?「まだまだ間に合う」と思っていたら大間違い!
SAPユーザーが利用するSAP ECC6.0のサポート期限は決まっています。一般的にSAP2025年問題やSAP2027年問題と呼ばれますが、サポート期限は2025年から2027年に延長されました。「SAPのマイグレーションや移行には、まだ5年以上あるから、ゆっくり考えよう」と思っているSAPユーザーがいれば、その考え方には注意が必要です。なぜならSAPマイグレーションを実行できる‘人’、つまり技術者やエンジニアが不足しているからです。
IT業界はDX(デジタルトランスフォーメーション)実現のため、エンジニアが足らない状態が続いています。IT業界では‘人がいない’と言います。その中でもSAPはERP/基幹システムですから最大ボリュームと呼ばれています。ERP/基幹システムで数十億円や数百億円もかかるSAPマイグレーションは規模が大きいので、エンジニアが大量に必要になります。ところが‘人がいない’状態でSAPマイグレーションの技術者を大量に確保することは困難です。確保するためには早めに意思決定し、SAPの移行方法を決めなければなりません。このような背景から「SAPマイグレーションは、まだまだ間に合う」と思ったいたら、大間違いなのです。
SAP ERPユーザーは次期バージョン:SAP S/4HANAへの移行(以下、SAPマイグレーション)を検討するために、どのような選択肢があるのでしょうか?SAP S/4HANAマイグレーションには、大きく3つの種類があります。
SAP S/4HANAマイグレーションの種類
種類①コンバージョン
現在使用しているSAP ECCをS/4HANAにアップグレードし、アドオン開発を整理しながら移行するマイグレーション方式のこと。整地されているフィールドで、移行リスクが低いため、ブラウンフィールド(Brown Field)と呼ばれている。
種類②リビルド
現在使用しているSAP ECCのアドオン開発を捨てて、S/4HANAにアップグレード後、開発し直して、移行するマイグレーション方式のこと。整地されていないフィールドで、移行リスクが高いため、グリーンフィールド(Green Field)と呼ばれている。
種類③セレクティブ
規模の大きなSAPユーザーに見られる種類。現在使用しているSAP ECCの特定のデータだけを移行し、選択的に移行する方式のこと。導入コストを抑えられ、新しい最適なS/4HANAへ移行できる可能性が高いため、ブルーフィールド(Blue Field)と呼ばれています。
このようにSAPコンバージョンの種類は①コンバージョン(アップグレードでアドオン開発とともに移行する」、②リビルド(作り直してしまう)、③セレクティブ(選択的に移行する)の3つの種類があります。
このようにSAPマイグレーションにはたくさんの種類があり、方針を決めることは大変な作業です。そしてIT業界は‘人がいない’状態が続いているため、早期に意思決定をして、SAPマイグレーションに着手する必要があるのです。そこで今回はSAPユーザーの意思決定や、SAPマイグレーションを支援してくれるSAPベンダー3社をご紹介していきます。徹底比較していきますので、みなさまのおすすめのSAPサービスを確認していきましょう。
SAPマイグレーション おすすめサービスを徹底比較① パソナテック(株)SAP S/4HANA導入支援サービス
パソナテック(株)(以下、パソナテック)は、SAP S/4HANAへのマイグレーションを検討しているSAP ERPユーザー向けに、「自動化にこだわったSAPマイグレーションを支援するSAP S/4HANA導入支援サービス」を提供しています。「機能別全体最適」という新しいパソナテックからの選択肢を提言しているのです。
SAP S/4HANA導入支援サービスには、大きく下記4つのサービスに分かれます。
<特長>
- SAP S/4HANA導入支援サービス
- SAP S/4HANAアドオン開発サービス(BTP)
- SAP ERP自動テスト化サービス
- SAP S/4HANAマイグレーションサービス
パソナテックは、SAPマイグレーション技術者やエンジニアの人材不足を解決してくれます。具体的な方法としてパソナグループの強みを活かし、人を集められる、人を活かす提案をしてくれることが特長です。またSAP HANA拡張開発に対し、ベトナムラボを活用し、グローバルチームで対応します。SAP HANA拡張開発とは、SAP Fiori(フィオリ)を軸としたBTP環境(Business Technology Platformの環境)でSBS開発(Side by Sideでの開発)を行う、新しいアドオン開発方式をいち早く提供しています。
そして、テスト自動ツール「Test Architect(テストアーキテスト)」で、テスト自動化サービスを提供し、コストと時間を削減してくれます。QCD向上(品質・コスト・進捗)を高めたいSAPユーザーは、テスト自動化シナリオを再利用でき、部品化によるノウハウで生産性向上が期待できます。
パソナテックのSAP S/4HANA導入支援サービスは、人とテクノロジーの融合により、「人手が足らないSAP移行を解決」「2025年に間に合わせることができる」「DX実現に貢献」してくれるサービスと言えます。
そしてパソナテックは、SAP 2027年問題を解決するため、Bule Fieldアプローチに拘った新しいマイグレーションを展開していきます。ドイツのSNP社の提供するCristal Bridge(クリスタルブリッジ)とMission Controlを使った手法を展開します。アセスメントからシステム環境の移行までを、SNP社のシステムで実施できる画期的な方法です。現在、Cristal Bridgeのソリューションを提供できる国内ベンダーは少なく、その1社がパソナテックとなります。2022年春のサービスリリースを目指し、準備中です。
参照元URL: ※後日決定
SAPマイグレーション おすすめサービスを徹底比較② クレスコ・イー・ソリューション(株)MOA SAP S/4HANA短期移行支援サービス
クレスコ・イー・ソリューション(株)(以下、クレスコ)は、SAP S/4HANAに短期間で移行するサービスを提供しています。移行に関してアセスメント(事前検証)、マイグレーション(環境移行)、オプティマイゼーション(最適化)を一気通貫でサポートするサービスがあります。
<特長>
- お客様のニーズ・環境に応じて、柔軟に選択可能なサービスメニューを揃えています。※ご希望に合わせたメニューカスタマイズが可能ですが、アセスメント(事前検証)のみ等となります。
- 計画立案に向け、専用ツール使用により最短1カ月での標準・アドオン機能の移行作業の洗い出しを行います。
- 最短4カ月でSAP S/4HANA短期移行を実現した実績があります。移行期間(通常6カ月)を30%短縮することが可能です(クレスコ・イー・ソリューション社実績)
クレスコは計画立案に向けて、専用ツールを使用し標準やアドオン機能の移行作業の洗い出しを行います。短期間の移行をサポートできることがSAP S/4HANA移行支援サービスの特長と言えるでしょう。
参照元URL:https://www.cresco-es.co.jp/service/moa/
SAPマイグレーション おすすめサービスを徹底比較③ 日本電気(株) SAP S/4HANA移行サービス
日本電気(株)(以下、NEC)のSAP S/4HANA移行サービスは、次世代ERPのSAP S/4HANA化を支援し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するための総合プラットフォームです。
「投資対効果が見出すことができず、どのようなROIが得られるのかをわからない」
「SAP S/4HANA化のメリットがわからない」
「コンバージョン方式とリビルド方式があると聞いたが、何が適しているのか判断できない」
というSAPユーザーの悩みに対し、最適な提案してくれます。
<特長>
- リアルなSAP S/4HANA化ノウハウ(自社でSAP導入をしているノウハウを活かす)
- 標準化手法(アドオン削減などの各種手法を提供)
- 安心のロードマップ策定支援(最適なロードマップ策定の計画立案から支援)
アセスメントから導入まで、すべて一貫して支援をしてくれます。ロードマップ策定支援サービスでは、打合せを重ねることで、ロードマップ策定やSAP S/4HANA移行への概算費用の把握が可能です。実機検証サービスではNECが提供するSAP S/4HANAのライセンスや実行環境を活用することで、SAPユーザーが手軽に検証作業を実行できます。
単なるSAP S/4HANAへの移行やマイグレーションに留まらず、SAPユーザーのビジネス成長・変革の実現をNECは支援します。
参照元URL:https://jpn.nec.com/sap/solution/hana02.html
まとめ
SAP2025年/2027年問題に対しSAP S/4HANAマイグレーションのポイントや、おすすめサービスベンダーがご理解いただけたと思います。SAP S/4HANAへの移行を検討している企業様には、「あまり検討の時間はない」と考えた方がよいことをおすすめします。何度も申し上げますが、「SAPマイグレーションを実行できる人材が不足している」ことが理由です。「ギリギリにお願いしても、既存SAPベンダーは受けてくれるだろう」と思っていると、SAPベンダーのリソース不足で断られることもあるかもしれません。
まずはSAPマイグレーションベンダーに相談してみて、ご判断材料を集めてみてはいかがでしょうか?SAPマイグレーションベンダーは既存SAPのシステム構築をしている、既存SAPベンダー‘だけ‘ではダメです。複数のSAPベンダーに相談することで、正確なSAPマイグレーションのやり方や費用が把握でき、安定した移行プロジェクトを目指すことができるのです。
パソナテックではSAP S/4HANAマイグレーションを検討する際に欠かせない、考慮すべきポイントをまとめた入門資料「SAP S/4HANAへの道知っておくべきこと、今からやれること、とは?」をご用意しました。本資料は、SAP S/4HANAマイグレーションへ進む方へ必見の資料です。ぜひダウンロードいただき、ご覧ください。
本記事は2021年8月26日の情報を基に作成しています。SAPマイグレーションサービスに関する詳しいお問い合わせは、各SAPマイグレーションベンダーのサイトからお問い合わせください。