SAPマイグレーション導入をサポートしてくれるツールとは?

SAPのマイグレーションには、みなさん大変な苦労を予想されていると思います。

本記事では現在までに経験してきたSAPマイグレーションの導入で苦労したポイントや、導入をサポート(support)してくれる効果的なツールを解説していきたいと思います。

マイグレーションの意味とは?

マイグレーションという言葉はよく耳にしますが、私などは漠然とシステムを新しくするのだろう的に考えていました。

しかし、似たような言葉でコンバージョンやリプレイスというものもあり、それらの違いはと聞かれると???となってしまいます。

そこで、本題に入る前に簡単にそれらの違いを整理しておきましょう。 

まず「マイグレーション(migration)」ですが、こちらは現在使用中のシステムを現在よりも新しいバージョンに移行したり、システムを新しい環境に乗せ換えたりすることという意味で使われるようです。

主な理由としては、ハードウェアが古くなってレスポンス低下することにより業務に支障が出てきたり、故障のリスクが高まってくることや、基盤ソフトのバージョンが古くなることで不具合が発生したり、セキュリティが脆弱化したり、保守運用コストが増大化したりと、要はいろいろと古くなってきたので新しくしましょうという事ですね。 

次に「コンバージョン(conversion)」ですが、直訳で変換や転換という意味を持つことからもわかる通り、今までのシステム資産を変換して新しいシステムへ移すということです。

その際、新しいシステムにあわせてデータを変換したり、プログラムを改修したりしますが、基本的にはレガシ資産をすべて持って行くことになります。

理由としては、業務要件の増大化により現状のシステムでは賄えなくなったり、新しいシステムに変えることで運用コストの削減が見込めたり、ユーザビリティを高めるために新しいサービスを導入したりということになります。 

「リプレイス(replace)」はと言いますと、こちらは現在使用中のハードウェアやプログラム、データベースなどの資産を同等のシステム基盤へ移すことのようです。

同等とはいえ、自社で管理しているオンプレミス環境からクラウドサービス環境へシステムをリプレイスすれば、大幅な保守費用が削減できますからやる意味は大いにあるでしょうね。

最近ではクラウドサービスの拡充により、コスト面やインフラ調達の容易さなどから、オンプレミス環境からクラウドへ移行する企業様や、データセンターを利用したサーバレス・コンピューティングを選択されるという企業様も増えてきているとのことです。

SAPマイグレーション導入で苦労するポイントは?

以前からSAPのERPソリューションをお使いの方は、SAP R/3 から始められたという方がほとんどだと思います(R/1、R/2からという方は、日本ではほぼ居られないでしょうね)。

SAP ERP製品バージョンは、大きくはR/1、R/2、R/3、ECC、S/4HANA と変遷してきました。それぞれの製品バージョンの中でもバージョンアップがあり、ハードウェアの機能要件がそぐわなくなったり、追加された新機能に対応するためにアドオンしている部分の改修を行わなければならなくなったり、マスタやトランザクションデータの修正や追加が必要になったりと、バージョンアップの作業としては単にソフトウェアのバージョンを上げれば良いという訳ではありません。マイグレーションを行うためのプロジェクトを立ち上げて、それなりの人数であたる必要があるでしょう。

そのマイグレーションプロジェクトを遂行するにあたり、何が重要なのでしょう?やはりマイグレーション作業でのシステムダウンタイムをいかに抑えられるか、マイグレーション後の業務をいかに不具合等なく滞りなく開始できるかではないでしょうか。 

マイグレーション作業でのシステムダウンタイム(データ移行のためのシステム停止時間)は、当たり前ですが移行するデータ量が多ければ多いほど長く必要になります。システムの停止中には、新しいシステムでの検証作業等も行いますので、それらがすべてOKとならなければ新システムの開始はできません。

規模にもよりますが、データ量が少ない場合でも予備日含めて4日~は欲しいところでしょうか。

そんな事情により多くの場合、システムが停止するGWやお盆等の長期休暇に絡めてプロジェクトを組むという流れになります。タイミングによっては年末年始の長期休暇にプロジェクトを組むこともあり、そんな時には年末の里帰りもできず元旦を会社のPCの前で迎えるなんてことも・・・ 

さて、ダウンタイム中にデータを吸い上げ、必要な編集・追加等行って新しいシステムへ投入したあとは、お待ちかねの検証作業開始となります。

システムが新しくなった場合の新旧画面比較や、移行したアドオンプログラムの動作検証等は、この時点ではすでに終えているでしょうから、ここでは主に移行したデータの妥当性チェックを、各種明細表・合計表レポート等で行うことになるでしょう。 また、項目追加やレコード追加・削除等行った場合には、直接テーブルを覗いたりもします。

ここですべて想定通りとなれば、はれてプロジェクトの完了となるのですが、たいてい大なり小なり何かしら起こるものです。 例えばデータの修正漏れがあったり、除くはずだったデータが何故か存在していたり、テストオペレータの操作ミスなんてことも起きたりします。 

テストがNGともなれば、原因を探って改修の作業をし再度テストを繰り返すことになるのですが、一連のテストシナリオを繰り返す作業もエビデンスの取得も、2度3度と繰り返すうちにだんだん雑になってきます。ここは「さっき大丈夫だったからやらなくても良いかな」なんてスキップしたところに限って、本番稼働した後で不具合が見つかったりすることもあります。

まじめにやっていても、人は同じ作業を繰り返し行ったり単純な作業が続いたりしていると、だんだんと集中力が低下してきてミスが発生するものですよね。 同じ作業を繰り返す、単純な作業を延々と行うというのは、そういう作業が得意な機械にやってもらいましょう。

という事で、次は弊社のお勧めするテスト自動化ツールをご紹介致します。

SAP S/4HANA 導入支援サービス 基本ガイドブック

SAPマイグレーション導入をサポート(support)してくれるツールのご紹介

マイグレーションに限らず、システムに何らかの変更を行ったときに必ずしなければいけないのはテストです。

単体テスト(UT)、結合テスト(IT)、システムテスト(PT)、受け入れテスト(UAT)、運用テスト(OT)等とその種類も多岐にわたります。目的はどれも行った何らかの作業に対して想定通り正しく行われたことの確認と、その確認を確かにしたことのエビデンス(証跡)を保存することでしょう。

特にエビデンスについては、後々不具合が出た場合の分析に使用したり、責任の範囲が決まったりすることもありますので重要です。

慣れていないテストオペレータの方などは、重要な確認したい部分の画面キャプチャが抜けていたり、逆に必要のない画面まで丁寧にキャプチャすることでエビデンスの容量が肥大化してしまったりテストの時間も長くなってしまったりします。その人のセンスに任せているとなかなか難しいテスト作業になると思います。 

パソナテック のSAP ERP テスト自動化ソリューションは、LogiGear社のソフトウェアテストツールである「TestArchitect」を使い、トランザクション単位の単体テストから、いくつものトランザクションを連ねた結合テストにも対応しております(シナリオ例:受注→出荷→ピッキング・出庫→請求)。あらかじめ指定した画面のキャプチャ画像を保存することも可能ですし、アプリケーションを組み合わせて新旧の画面比較なんてこともできてしまいます。

何より、人が操作しているオペレーションをトレースしていますので、何をしているのかわかりやすいところは良いポイントだと思っています。 

様々な自動化ソリューションでよくある話ですが、課題はスクリプトを書かなくてはならないところです。

今回ご紹介しているツールのテストスクリプトは、操作の複雑なものなどは少し慣れが必要ですが、プログラムを組める方であれば少しの勉強でほぼ対応可能となります。

複雑なテストスクリプトなどは、一度作ってしまえば似たようなトランザクションはコピーできますので、メリットの方が大きいのではないでしょうか。

何より作ったものは繰り返し使用することができますので、IT資産として末永く活用できますね。

まとめ

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

「SAPマイグレーション導入をサポートしてくれるツールとは?」というテーマで書かせていただきましたが、いかがでしたでしょうか?

マイグレーションで苦労するポイントは多々あることと思いますが、その中でも比較的簡単に使用できて費用削減効果も大きいテスト自動化ツールの活用をお勧めします。

今回ご紹介したLogiGear社の「TestArchitect」は、自分の若いころにあったらとつい考えてしまうようなツールです。

テストスクリプト作成については、弊社の支援サービスを利用して作成することも可能です。また、標準トランザクションに関しては、多くのテンプレートを用意していますので、それらを活用することもできます。本ブログをご覧いただき、ご興味を持っていただけましたらご一報をください。SAPテスト

パソナテックではSAP S/4HANAマイグレーションを検討する際に欠かせない、考慮すべきポイントをまとめた入門資料「SAP S/4HANAへの道知っておくべきこと、今からやれること、とは?」をご用意しました。本資料は、SAP S/4HANAマイグレーションへ進む方へ必見の資料です。ぜひダウンロードいただき、ご覧ください。

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