SAP ERPからS/4HANAへマイグレーションしませんか?ERPの塩漬けはもったいない!

SAP S/4HANAへのマイグレーションに、二の足を踏んでいる企業が多い中、リミットの2025年(2027年)は着実に近づいています。マイグレーションプロジェクトには時間もお金も気力も必要です。SAP ERPを塩漬けする選択肢もある中、マイグレーションをやる価値があるのかということを解説していきます。

SAP ERPの塩漬けはもったいない!?

SAPを導入した企業の中には、SAPを導入した20年前から、最低限のSPやパッチ適用でしのいで、本格的なバージョンアップをしていない会社があります。SAP ECCにはバージョンアップを完了していても、S/4HANAへの導入には二の足を踏んでいる会社が多いのが現状です。20年前と今では、業務も変わっているでしょうし、周辺システムも進化しているはずです。普通に考えてみて下さい。20年というとガラケーが主流で、ネット回線もADSLの時代。今はスマホが主流で、回線は光です。圧倒的に通信速度が速くなっています。アプリで考えてみても、今のスマホのゲームは本当にすごいです。内容も凝っているし、画像もきれいだし、音もいいんです。

銀行振込を考えてみても、20年前は銀行のATMや窓口に行って振込をしていましたが、最近はパソコンやスマホでどこにいても振込ができる時代になりました。

そんな環境の変化があるのに、企業の基幹システムERPが20年前に導入したままって、やはり時代のメリットを享受できていないと思いませんか。

今さらガラケーに戻れないように、一度、S/4HANAを知ってしまったら、もうR/3やECCには戻れないかもしれません。SAP ERPを塩漬けするなんて、もったいないのです!

SAP S/4HANAへのマイグレーションのメリット、デメリット

S/4HANAの一番のメリットは巨大なメモリーに全ての実データを格納して処理ができるインメモリー処理のプラットフォームです。これがとにかく早いのです。日中の通常常務だけでなく、夜間バッチやインターフェース、負荷が高い分析処理なども高速で処理します。その上、複数のテーブルにキーを持たせて、分散して格納していたテーブルを格段に少なくし、1つのテーブルに多くの情報を持たせるようになりました。この変更点はレポート出力時などにとても効力を発揮します。今まで20のテーブルを検索しなければいけなかった情報が、3つのテーブルから取得できる、というようなことが起こるのです。

昔R/3時代に、複雑なチェックが30以上入った大作アドオンプログラムを作成したことがあります。1つの伝票に30のチェックを行い、伝票が1万件あるような月次処理だったので、負荷テストで1万件を流したところ、夜12時から夜間バッチで開始して、翌日朝9時にまだ終わっていませんでした。その後、いろいろと改良して、リリース時には朝5時には終わるようになったのですが、あのプログラムをHANA DBで動かしてみたいと思うことがあります。もちろんテーブル構造が違うので、修正は必要ですが、どのくらい早くなるのか、試してみたいのです。

もう一つメリットを挙げるなら、S/4HANAからの新機能Fioriでしょう。タブレットなどでも使用しやすいタイル形式のメニューで、今までのGuiのメニューのようにツリーを降りていく必要はありません。営業のスタッフが、出先からタブレットで在庫を確認したり、受注を登録したりという作業がとても効率よくこなせます。

デメリットの一番はマイグレーションプロジェクトの費用が高いことでしょう。SAPを導入している会社は大企業が多いことも理由ですが、新規導入時にプロジェクト費用は、2桁億、フルモジュール&インターフェース再構築とかの大プロジェクトだと3桁億ということもあります。

もう一つ、デメリットを上げるとすると、データベースが限定されることでしょうか。SAP ECCの時は、オラクル、DB2、UNIX、Windows、Linuxなど複数OS、複数データベースで稼働するマルチプラットフォーム対応でした。一方、SAP S/4HANAのデータベースはSAP HANAのみです。

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ERPからS/4HANAへのマイグレーションプロジェクト

SAP S/4HANAマイグレーションには「コンバージョン」と「リビルド(再構築)」の方法があります。どちらの方法がよいのかは、案件ごとに考慮する必要があります。そのために必要なプロセスがアセスメントです。プロジェクトの開始前に現状を分析して、基幹システムに求める要件を明確にし、プロジェクトメンバーだけでなく、社内でSAPを使用するユーザーメンバーにも共有しておくことが大事です。のちのち一般ユーザから「使えない」「前の方がよかった」などの残念な声を聞くこともあります。そうならないためにも、ユーザからの必須要件や妥協点などは事前に話し合っておくとよいでしょう。

コンバージョンとは、現行のSAPを生かしながら、S/4HANAへ変換していくことです。基本的な使用モジュール、使用方法などは、大きくかわりません。こちらの場合、既存をそのまま使用する部分が多いので、工数も費用も少なくて済みます。

対して、リビルドは、初期に導入したときのように、要件定義などを行い、今の要件を取り入れつつ、システムを再構築することです。こちらは、初期導入と同じような手順になるので、工数も費用も多くなります。

どちらの方式を選択するかは、会社の状況によって違うので、一概にどちらがいいとは言えません。ビジネスの目的に応じて、ロードマップを作り、メリット/デメリットを理解したうえで、決定することが必要です。

SAPの保守切れまで、まだ時間があるように思っていても、プロジェクトは予算取りから、メンバーの選定、ベンダーの選定など、プロジェクト開始までに時間はかかります。さらに今はコロナ禍でリモートワークが多く、思わぬ遅延も発生することもあるでしょう。ギリギリまで待ってから、と考えていると、間に合わなくなるかもしれません。

まとめ

ワインは長く漬け、醸成することによって、熟成された風味がでて、おいしくなります。システムも同じようには生ものであり、長くて良いものもあれば、新しいものを取り込んだ方がよいこともあります。システムとは最先端の技術が開発され、時代に合わせて進化しています。

時代に乗り遅れないように、新しい情報をキャッチアップして、会社の基幹システムがより良いものになっていくといいですね。

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