SAP HANA 2027年問題(2025年)をざっくりまとめました

国内2000社以上が導入しているSAP ERPですが、導入している企業が直面している問題がSAP 2027年問題(2025年)だと思います。SAP2027年問題が叫ばれてから数年経ちましたが、いつまでに何をしなければいけないのか、また今からどういったことを始めなければいけないのでしょうか。改めてSAP2027年問題とは何なのか、SAP導入企業の動向、S/4HANAへのマイグレーションまでに今から対応できることをざっくりまとめました。

2027年(2025年)問題とは? 

国内2000社以上が導入しているSAP ERPですが、導入している企業が直面している問題がSAP 2027年問題(2025年)だと思います。この問題は元々2015年にサポート終了予定でしたが2020年に延長され、さらに2025年に延長されましたが、2020年2月に2027年に再度延長された経緯があります。ただし、2027年の延長はすべての企業が対象ではなく、EhP1~5の場合は2025年12月末で終了は変わりません。2027年まで延長するためにはEhP6~8を適用する必要があります。

サポート期限までに何をしなければいけないのか

結論から言うと、2027年12月末までにS/4HANAを含め他のシステムに移行しなければいけないということです。移行しないとSAPからのメインストリームサポートを受けられなくなります。メインストリームサポートを受けられないということは修正プログラムも提供されなくなりますし、システム障害があったとしてもサポートを受けられないということになります。こういった状況では企業としての責任も果たせなくなってしまいます。

では、S/4HANAに移行するために何をしなければいけないでしょうか。

いくつか選択肢があります。一つ目の選択肢はS/4HANAに移行するか他ERPに移行するかということです。もう一つは仮にS/4HANAに移行する場合、リビルドするかコンバージョンかどちらでもない別方式でS/4HANAに移行するかということです。リビルドはグリーンフィールドと呼ばれ、一言でいってしまうと新規にシステムを構築するということです。S/4HANAの最新機能を活用できることが出来ますが、業務の見直しも行うため費用と時間が多く掛かります。

二つ目の選択肢のコンバージョンはブラウンフィールドと呼ばれますが、現行システムのシステム要件のままS/4HANAに合わせたデータ構造で移行することです。こちらは業務の見直しなどはしないため比較的、低費用、短時間で移行できますが、S/4HANAの最新機能を全て活用することはできなくなります。どちらの方式やるかは一長一短あり自社の方向性を検討し決める必要があります。

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SAP導入企業の動向

現状、国内2000社ではどういった動きなのでしょうか。JSUGの「JSUG2020 S/4HANAへの移行検討状況比較」では、3年以内にS/4HANAへの移行を計画する企業の割合は2019年時点で47.1%だったのが、38.8%に下がっています。サポート期限が2027年まで延長されたことによるものと推測しますが、一方、同資料に他ERPではなくS/4HANAを選択する企業は85.8%とほとんどのSAP導入企業がS/4HANAに移行するようです。そうなりますと、この先3年の間(2021年~2024年)に38.8%の企業、約800社がS/4HANAへの移行プロジェクトを立ち上げることになります。

また残りの約1000社も2025年、または2027年のサポート期限までに移行プロジェクトを立ち上げることになります。そうなるとどういうことになるかというと、SAP導入ベンダーも多数あるわけではありません。日本で数社、数十社というところです。となると、導入ベンダーはすべてのSAP導入企業の要望には応えられなくなる可能性があります。もちろんSAPコンサル、エンジニアも足らなくなる可能性があります。こういった状況も踏まえてS/4HANA移行への投資計画を立てる必要があります。

2027年問題で今からできることとは?

まずはS/4HANAに移行するか他ERPに移行するかを決め、S/4HANAに移行する場合、自社の現状を考慮してリビルドかコンバージョンか移行方式を決めます。EhP1~5の場合で延命措置をする場合、EhP6~8を適用する必要があり、OS、DB、ハードウェアなどのサポート期限間近であればEOL対応、クラウドリフトなどの対応も必要になってきます。またS/4HANAはUnicodeのみになるため、Unicodeに変換することも必要です。これらの対応を導入ベンダーとコミュニケーションを取りながら方針を決め、投資計画を立案することになります。

ここまでは当然どの企業でも対応されるかと思いますが、プロジェクトに入ってからやっておけばよかったと思うことが、3つあります。

一つ目は、現システムの整理(業務フロー、設計書、操作説明書など)です。プロジェクトに入ってからでも対応は出来ますが、前もってやっておくことで時間的な余裕も生まれ、業務改善や効率化などのアイデアも出てくるかもしれません。

また、現状のSAP ERPを中心としたシステム構成を整理することにより、課題や改善策を検討することもできます。

二つ目は、情シス部門のメンバーのS/4HANAのスキルを付けておくことです。S/4HANAと現状のECC6.0の違いは何か?どういった機能が搭載されているか?、導入後のバージョンアップの頻度など、S/4HANAに関する知識・情報を取り入れましょう。そのうえでマイグレーションに臨まれたほうが導入ベンダーの言いなりになる可能性を低減できます。

三つ目は、一つ目で触れましたが、現状の業務を整理したうえで、できれば業務の改善ではなく効率化を優先して検討することです。現状の業務で時間が掛かっている部分や、手間がかかる業務を洗い出し、自動化の検討をしてみてください。現場の方々は自分の業務が変わるのは嫌がる傾向があるかもしれませんが、効率化されるということであれば協力的になってくれるものです。

まとめ

2027年でECC6.0のサポートが切れることにより導入企業が一斉にマイグレーションプロジェクトを立ち上げてくることになりますが、失敗しないために自社の現状を整理し、導入ベンダーとのコミュニケーションを密にし、準備万端でマイグレーションに臨んでください。

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