SAP HANA(S/4 HANA)をAWSで構築する手順について徹底検証!

CALとはCloud Appliance Libraryの略で、SAP S/4 HANAを導入前に気軽に検証できるサービスです。SAP S/4 HANA には2種類のトライアルが用意されています。「SAP S/4HANA Cloudトライアル」というクラウドのタイプと「SAP S/4HANAトライアル」というオンプレのタイプです。どちらもライセンス無料で利用できますが、「SAP S/4HANA Cloudトライアル」は登録してすぐにシステムを利用できることに対し、「SAP S/4HANAトライアル」はオンプレ環境構築するため、時間が数時間かかります。また、利用した時間分のクラウド使用料が発生します。

AWS上にSAP S/4 HANA環境を構築する手順と、トライアル期間が終了後、サブスクリプションを購入し環境を継続利用するときの注意点について、徹底検証し解説します。

SAPの環境をCAL(Cloud Appliance Library)を使ってAWS上に構築

弊社ではSAP S/4HANAのテスト自動化ツールを検証する環境にCALを利用しています。SAPテスト

環境構築の手順ですが、まず構築に必要な情報は以下の2つです。

・SAPユーザアカウント

・AWSアカウント(AWSへの接続に必要なAccess KeyとSecret Key)

Basic Modeで構築する場合、インフラ環境は自動で構築されるため手順に難しいことはありません。利用環境によりセキュリティ・ネットワークなど考慮が必要な場合はAdvance Modeでインスタンスを作成するとネットワークなどをカスタマイズすることができます。

CALの画面よりソリューションを開き、表示された一覧内の「TRIAL」と記載のあるシステムより選択します。

「Create Instance」をクリックするとウィザードが始まります。ウィザードに沿って進み、準備したアカウント情報などを入力するだけで環境が完成します。時間はインストールや待機時間を含めて数時間程度です。

環境ができるとインスタンスの一覧にシステムが追加され、ステータスが「Active」となります。

「Connect」をクリックすると、踏み台サーバとなるリモートデスクトップのショートカットやSAP GUIの接続情報をダウンロードできます。(SAP GUIは別途インストールが必要です。)これらからSAP GUI、リモートデスクトップからはHANA studio等が利用できる状態となっていることが確認できます。

AWS上にイチから構築する場合、VPCやセキュリティなどインフラの設計や構築というSAPを利用する準備段階で時間がかかってしまいますが、CALの場合はAWS上に完全自動で構築されるため構築の時間を大幅に短縮することができます。

CALを継続利用するときの注意事項

CALを継続して利用するにはまずSAP Cloud Appliance Library のサブスクリプションを購入する必要があります。その後永続ライセンスキーをダウンロードしライセンスの更新を行います。

SAP HANAデータベースは、「一時ライセンスキー」と「永続ライセンスキー」の2種類のライセンスキーをサポートしています。一時ライセンスキーは、新しいSAPHANAシステムとともに自動的にインストールされ、90日間有効です。

SAP S/4HANAトライアルを利用中は「一時ライセンスキー」が適用されているのですが、トライアル期間以降もCALを利用したい場合、上記の通り永続ライセンスへの更新が必須となります。

更新はSAP GUIのトランザクションコード:slisenceのみを行えばいいと思っていたのですが、永続ライセンスへの更新は以下3箇所に行わう必要があります。

・SAP GUIのトランザクションコード:slisence

・HANA studio

・NetWeaver

トライアル期間が終了し、永続ライセンスを取得したのですが、「HANA studio」と「NetWeaver」へのライセンス更新が不十分だったためシステムが停止してしまいました。ライセンスが完全に切れてしまいロックダウンモードとなったようです。

SAP Administration Guideにはロックダウンモードについて以下のような記載があります。

ロックダウンモードでは、データベースにクエリを実行することはできません。 システム権限LICENSEADMINを持つユーザーのみがデータベースに接続し、以前のライセンスデータの取得、新しいライセンスキーのインストール、インストールされたライセンスキーの削除などのライセンス関連のクエリを実行できます。

また、データベースをロックダウンモードでバックアップすることはできません。

ロックダウンモードになってしまうと「HANA studio」から操作ができなくなります。そのため、ライセンスの更新は踏み台サーバを使用せずコマンドラインからサーバへ直接行わなくてはいけません。

そのようなことにならないよう、期間内に永続ライセンスのインポートを行いましょう。

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SAP HANAをAWSで構築する手順について徹底検証!まとめ

CALを使用していて便利だと思ったことはAWSのマネージメントコンソールを使用しなくてもCALのコンソール画面で十分に運用が行える点です。サーバの起動停止、バックアップやリストア、起動時間のスケジュール管理もコンソール画面からから行えます。

バックアップも同様の画面からスケジュールを設定し自動取得できますが、自動で取得したバックアップを退避することができないため注意が必要です。残しておきたいバックアップがある場合、手動で取得する必要があります。(その場合、バックアップは自動で削除されないため手動で削除する必要があります。)

弊社ではAWSを利用していますが、クラウドプロバイダはGCPやAzureを選択して構築できます。使い慣れたクラウドプロバイダを選択できるとより試しやすいですね。

CALをAWSで構築する参考資料はあるのですが、トライアル期間が終了しサブスクリプション購入後、何をすればいいのか参考資料があまりなく苦労しました。SAP Cloud Appliance Libraryサブスクリプション購入をお考えでしたら、手助けとなれば幸いです。

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