SAP S/4HANAでのパフォーマンステストを実施してみた!結果はいかに?

SAP WEBGUI、 Fioriを対象にパフォーマンステストを実施し、Test Architect(以降TA)を利用した自動テストを行いました。本記事では実施した自動化テストの内容や、その結果などについて触れていきます。本記事を通して、SAP ERPにおけるテスト自動化で得られるメリットや、テスト自動化ツールなどについて興味を持っていただけると幸いです。

SAP S/4HANA パフォーマンステストを実施してみた!

SAP S/4HANAパフォーマンステストで実施されるテスト自動化の内容は、「①QRコードの作成」、「②QRコードを読み込み、その内容をプリンタに出力」というものです。対象となったSAPはWEB GUIと、SAP Fioriの2種類になります。SAP ERPのオペレーションの自動化は業務内容の改善や効率化を促す役割として、大きく貢献できるのではないかと思っています。以下のようにテストの詳しい内容を記述していきますので、是非ご覧いただき、参考にしてみてください。

SAP S/4HANAパフォーマンステストの自動化テスト内容

①QRコードの作成(フロー表) 

期待動作:「PC10台×2枚 = 20枚」

ダイアグラム

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②QRコードを読込、その内容をプリンタに出力(フロー表)

 期待動作:「PC5台×40枚×2セット=400枚」

ダイアグラム

自動的に生成された説明

①、②のテスト内容では必要なデータをExcelから読み込んで処理を行っています。Excelのデータを修正するだけで、SAPへの入力情報を変更できるので、データを変更して繰り返しのテストが行えます。Test Architect(TA)のコード修正は不要です。この他にも設定次第ではExcelデータの入力情報を工夫することで、条件分岐や繰り返し等の設定も行えます。柔軟性の高さもTAを利用する推奨ポイントのひとつです。

Test Architect(TA)とは?

テスト自動化を行うにあたり、Test Architect(以下、TA)と呼ばれる自動化ツールを使用します。TAはJavaやPythonといったようなプログラミング言語とは異なり、面倒な記述は不要で、扱いやすい仕様になっています。TAにはすでに多様な機能が備わっているため、様々な動作にも対応でき、少ない時間で開発できます。

パソナテック社 ではSAP S/4HANAにおいて100個程のトランザクションコードに対してテストコードの開発が完了しており(一覧はこちらをご確認ください:https://www.pasonatech.biz/service/automation/code)、開発済みのトランザクションコードであれば、導入コストと、時間の短縮を実現できます。こういった取り組みの実績からも、様々な機能が存在するSAPS/4HANAに対して、きちんとテスト対応できていることが証明されていると思います。そこで実際にテストで使用されたTAの機能について、いくつか説明していきます。

例1 )WEBページを開く

TAを通してWEBページを開きたい場合は、TAの「navigate」機能を利用します。location欄に開きたいURLを入力するだけで簡単に開くことができます。

例2 )ウィンドウの切り替え

SAP S/4HANAを利用するにあたって、複数ユーザの使用や、複数のトランザクションから同時並行でSAPS/4HANAを利用したい時があると思います。そんな時は、以下のようなTAの機能を利用することで実現できます。

手順1:ウィンドウ(インターフェイス)定義/登録

まずは操作対象のウィンドウ定義が必要になります。例えば以下のようなウィンドウのインターフェースを定義したい場合には、TAの「interface entity setting」機能を利用します。titleにウィンドウのタイトル名(ここでは”SAP Logon 760”がタイトル名になります)を入力するだけで定義できます。

※ウィンドウ画面

グラフィカル ユーザー インターフェイス, アプリケーション, Word

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※TAのインターフェイス

グラフィカル ユーザー インターフェイス, アプリケーション

自動的に生成された説明

手順2:推移したいウィンドウの情報を登録

操作対象のウィンドウ(インターフェイス)情報をTAの「identify windows」という機能を利用して登録します。今回はSAP S/4HANAのログイン画面を対象としているので、SAPという変数を作って、その変数の中に対象ウィンドウのインターフェース情報(SAP_Logon)を格納します。

※「SAP_Logon」とは、先ほどインターフェース定義時に作成したインターフェースのモジュール名です。

グラフィカル ユーザー インターフェイス

低い精度で自動的に生成された説明

手順3:ウィンドウの切り替え

「identify windows」機能で登録したウィンドウを開きたい場合は「switch window」機能を利用します。この機能ではwindow欄に開きたいウィンドウのインターフェイス名、handle欄に登録時に使用した変数名を入力(変数の前には「#」を付ける)するだけで、ウィンドウの切り替えが可能になります。

テキスト が含まれている画像

自動的に生成された説明

TAの機能について簡単に説明させていただきましたが、いかがだったでしょうか。先述したようにTAでは様々な機能が備わっているため、その機能を利用すれば、効率よくSAP S/4HANAのパフォーマンステストやオペレーションを自動化できます。TAに関する内容は、ホームページ(https://www.pasonatech.biz/service/automation/tools)にも記載していますので、是非こちらもご確認ください。TAについて少しでも興味をもっていただけると幸いです。

SAP S/4HANA 導入支援サービス 基本ガイドブック

Test Automation Frontを利用してもっと効率的な作業の実現へ

TAを利用すればSAP S/4HANAの自動化が実現でき、作業の効率化が図れることはご理解していただけたかと思います。しかしTAを利用してオペレーションの自動化が実現できたものの、実行するためには人手が必要で、完全な自動化はできないな…なんて思いませんか?

そこで、Test Automation Front(以下、TA Front)と呼ばれるツールの登場です。TA Frontを利用すれば、TAの操作自体も自動実行が可能になります。たとえばTA Frontとタイムスケジューラ機能を組み合わせることによって、ひとつの端末から複数端末での操作が可能になります。また時間帯を指定すれば、テストの自動実行が可能になります。今までは何人もの人手が必要だった作業が数人で済みます。時間帯が決まっている業務であれば、人手不要の業務も実現できます。さらには夜中に実行することなども可能になります。(TA Frontは、SAPストア(https://store.sap.com)にて公開予定)

ダイアグラム

自動的に生成された説明

図:TA Frontのイメージ

SAP S/4HANAパフォーマンステスト結果はいかに??

  1. QRコード作成(PC10台×2枚 = 20枚):所要時間  約3分
  2. QRコード印刷(PC5台×40枚×2セット=400枚) :所要時間  約14分

上記内容が今回実施したSAP S/4HANAパフォーマンステスト内容の結果です。この結果からSAP S/4HANAの自動化がいかに作業の効率化に貢献できるのかを証明できたと思います。特に②の作業内容ではSAPS/4HANAを通してQRコードを400枚もスキャンしなくてはならない作業が、TAを利用すれば約14分程度で可能になりました。

このような作業を手動で行ったとすると、どれだけの時間と工数がかかってしまうでしょうか。私たちは今後も様々なツールや経験などを活かして、多くのSAPS/4HANAの業務効率化を実現していきたいと思っています。

デスクの上のパソコン

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写真:無人で10台のPCでパフォーマンステストを実施

まとめ

「SAP S/4HANAでのパフォーマンステストを実施してみた!結果はいかに?」と題しまして、ご説明してきましたが、いかがだったでしょうか。SAP S/4HANAの需要が高まる昨今では、SAP S/4HANAのテスト自動化がもたらす影響はとても大きいと思います。テスト自動化は作業の効率化を図るだけでなく、教育資料としても力を発揮できるでしょう。

例えばSAP S/4HANAを開発・テストする未経験者は、システムの内容を理解するまでに時間を費やしてしまい、教育のために人手を割く必要があります。しかし自動化された内容を動画に取っておくだけで、直接説明する手間を省き、社内資料としても残せます。

ほかにもSAP S/4HANAの操作担当者が変更された場合であっても、動画とExcelファイルさえあれば誰でも簡単にSAP S/4HANAが利用できるようになります。私たちは最小の力で最大のパフォーマンスが発揮できるように、様々なツールや手法を用いて、SAP S/4HANAの業務効率化の実現を目指していきます。私たちの力が少しでも多くの方々に貢献できると幸いです。

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