SAP HANAの英語、翻訳できないときはどうするの?

SAPは、ERP製品として多くの国で利用されています。海外拠点を持つ企業では、ドキュメントが英語であることがあり、製品で利用されている言葉をそのまま翻訳しようとしても、正しく翻訳されない場合があります。このような場合、どのような対応方法があるのでしょうか。SAP HANAを英語に翻訳できるとき、できないときについて解説いたします。

SAP HANAの英語、今どうやって翻訳しているの?

最近、SAPの業務を行っている後輩から海外拠点をもつ会社との仕事が増えてきたと聞いた。当然英語のドキュメントに目を通すことになるが、翻訳をしてみるとどうもうまくいかず、時間がかかることがあると言っていた。たしかに、Website等の翻訳機能で完璧に翻訳することなどはできないが、ある程度の意味が通じる言葉になることが多い。あとはその翻訳結果を見直せばよいのだが、なぜ、そんなに大変なのだろうと思い尋ねてみた。私は、彼とは別の事業部で、私自身はSAPについては詳しく知らない為、具体的な例を聞いてみると例えば「承認」という言葉は、「Release」になるそうだ。たしかにそうであれば、翻訳は難しい。ただ、既存の翻訳サイトや翻訳システムでできないか、ちょっと気になったので、この言葉が翻訳できるのか、試してみた。

  1. Website Google 翻訳 → Approval
  2. Website Weblio 翻訳 → Approval
  3. Excel 翻訳 → Approval

たしかに、「Release」にはならなかった。翻訳結果には関連する言葉も出るが、少なくとも「Release」という言葉は出てこなかった。どのように業務を行っているのかと聞けば、SAPに日本語と英語の双方でログインを行い、ドキュメントに記載されてる機能が、英語だとどう翻訳されてるのか見比べながら行っているそうだ。その上で無駄にならないよう辞書を作成していると。たしかにこれは手間がかかる。他に手がないのか少し調べてみた。

SAP HANAの英語を翻訳する業務が職種としてないか調べてみた

「SAP 翻訳」で調べていくと、SAP翻訳という求人情報が出てきた。求人内容は、海外に発注したSAPの翻訳結果のチェックすることと翻訳であり、スキル要件としては、SAP関連の翻訳経験が数年以上というものであった。たしかにSAPの用語に特殊な言葉があるならば、そのような業務も発生するだろうし、翻訳を行うことに対してなんら違和感はない。職種としてSAPの翻訳者がどれほど求められているのか、求人サイト等で「SAP」と「SAP翻訳」で検索し比較してみた。

  1. 派遣サイト 検索条件と検索結果(SAP・・・20件、SAP翻訳・・・0件)
  2. 転職サイト 検索条件と検索結果(SAP・・・596件、SAP翻訳・・・0件)

SAP翻訳業務はあるが、採用し配置するところまで発生するプロジェクトは少ないようだ。今私も海外で勤務しているが、たしかに通訳者を常時配置するプロジェクトより、プロジェクトの立上げや開発のボリュームが増え、翻訳の量が多くなるタイミングで一時的にアサインする方が多い。

SAP S/4HANA 導入支援サービス 基本ガイドブック

SAP HANAの英語を翻訳する業者がないか調べてみた

他の方法と言えば、翻訳をしてくれる業者に依頼できないだろうか。検索してみると、「株式会社川村インターナショナル」(https://www.k-intl.co.jp/sap-translation)という会社が検索上位に出てきた。SAP翻訳を専門的にフルサポートしてくるそうで、ポイントは、以下4点と記載されていた。

  • SAPの認定を受けたLanguage Service Provider
  • SAP社からの受賞実績多数
  • ABAPベースのソフトウェアからトレーニング教材まで幅広く対応
  • SAP Translation Hub/SAP Cloud Platformを活用した効率化

ここで「Language Service Provider」という言葉が出てきたが、調べてみると「SAP Language Service Partners」という認定資格のパートナーがあるようだ。このような資格をもっている会社に依頼すれば、きっと間違いはないのだろう。他にもパートナー会社がないか探すと、2020年のパートナー会社の一覧があり、全50社ほどあった。日本の会社は、2社で前述の会社と「TEC Business Services Corp.」という会社であった。

  • SAP Language Service Partners

https://translation.sap.com/assets/GeneralSLSInformation/PartnersandTranslationResources/SAP%20Language%20Service%20Partners.pdf

  • Partners List

https://translation.sap.com/assets/GeneralSLSInformation/PartnersandTranslationResources/Partner_List.pdf

ちょっと落ち着いて、本題に戻ろう。そもそも私の後輩はまだ若く、マネージャーではない。恐らく、自分の意思で人材の採用を行う、あるいは業務を外注に出すといった権限はないはずだ。他にも何かないだろうか。

SAP HANAの英語を翻訳するSAP社のサービスがないか調べてみた

SAP社が提供するクラウド型のサービスでSAP Translation Hubというものがあった。SAP Cloud Platformのアカウントがあると利用可能で、機会翻訳をしてくれるサービスだ。翻訳する言語も多岐にわたり、日本語、英語(米国)、中国語(繁体)、中国語(簡体)、ベトナム語等があり、日本からよくあるアウトソーシング先への言語にも対応している。そのサービスのUIは英語だけでなく、日本語もあるので安心して利用できそうだ。また、様々な業種で利用可能である為、ドメイングループを設定することで、特定の方法で翻訳が必要な場合にも対応していた。ドメイングループは、以下の8種類となる。

1分析データ分析およびビジネスインテリジェンス
2財務会計財務会計、管理会計、および財務管理
3一般残りのアプリケーションエリア
4業種自動車、航空宇宙と防衛、および保険などのSAP業種別ソリューション
5ロジスティクス物流管理、在庫/購買管理、およびプラント保全
6人材管理Human capital management (HCM)、Learning Solution
7販売販売管理、およびカスタマリレーションシップマネジメント (CRM)
8テクノロジSAP Technology コンポーネント (SAP NetWeaverなど)

ただし、SAPによる機械翻訳は継続して改善されているそうだが、翻訳をレビューする必要がまだあるとのこと。大量の翻訳ドキュメントがあり、さらにサポートが必要であれば、「SAP が認証するパートナーに連絡してください」と記載されていた。たしかに、「株式会社川村インターナショナル」でもこちらのサービスを活用していると記載があった。

  • SAP Translation Hub

https://help.sap.com/doc/392c858a3cc8489d993d1abc060b642c/Cloud/ja-JP/SAP_Translation_Hub_JA.pdf

まとめ

結論からすると、翻訳者を採用したり、翻訳サービスを利用したり、SAP社のサービスを利用することで、英語に対応することはできそうだ。しかし、プロジェクトがそんなに大きくなく、ドキュメントも少なければ、担当者が慣れる育成期間を設けるというのも方法の一つだ。そもそも、業務システムなんだから、知らない言葉は当然出てくる。さらに多種多様な業種に対応したSAPならより多くの知らない言葉が、出てくるだろう。それに対応する英語も特殊なのだ。日本語でも英語でも、知らない言葉を覚えることは、最初の仕事じゃないか!なんで私はこのようなことを調べていたのだろう。SAPの資格、4つくらいとって知識は増えてきたようだし、私から言えることはひとつ。後輩よ、SAPの英語に、早く慣れてくれ(笑)

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