SAP HANA CLOUDとは?

SAP HANA(S/4HANA) CLOUD、言葉はよく聞きますが、名前も変わるし、製品の種類によって何が違うのかわからないという人も多いのではないでしょうか。名前(種類)、機能(できること)などをわかりやすく説明するとともに、SAP S/4HANA Cloud利用時のワンポイントアドバイスも交え解説します。

SAP HANA(S/4HANA) CLOUDの種類から理解しよう 

SAP S/4HANA Cloudって聞きますが、名前が色々と変わって、今はRISE with SAP S/4HANA Cloudが登場したりで、中々ラインナップがわかりにくいとかんじている方も多いと思います。

ここでは、SAP S/4HANAの製品ラインナップをわかりやすく説明していきたいと思います。

まずは、SAPの提唱するIntelligentEnterpriseの実現を取り巻く環境を整理してながら、S/4HANA Cloudをなぜ提供するのかをみていきます。

2025年の崖と言われますが、これからの企業の仕組みは、DX化によりITの重要性が増していきます。

ERPの中には、大量のビジネスデータの蓄積があり、これらをインテリジェントなデジタル業務基盤として活用することで、競争力強化につながると考えており、これらを実現する要素として3つ挙げました。

 ①社内外プロセスの連携

 ②迅速性(変化への対応スピード向上)

 ③革新性(高度・最新技術の適用)

この3つの実現のため、業務プロセスを統合的に管理するIntelligent Suite の中核に 

SPA社は、SAP S/4HANA は位置付けています。

さて前置きが少し長くなりましたが、SAP S/4HANAのCloud ERP と On Premise ERPの比較をみていきたいと思います。

大きく5つの比較ポイントに分かれています。

・ERP On Premise

  ① SAP S/4HANA On Premise (Managed by customers)

・ERP in the Cloud

  ② HANA Enterprise Cloud

・Cloud ERP

  ③ RISE with SAP S/4HANA Cloud, private edition

  ④ SAP S/4HANA Cloud, extended edition

  ⑤ RISE with SAP S/4HANA Cloud, 旧:essential edition)

それぞれの特徴を簡単に5つの種類に整理します。

①SAP S/4HANA On Premise (Managed by customers)

 従来のOn Premiseと同様のものになります。

② HANA Enterprise Cloud

 On Premiseと同様の機能となりますが、インフラはSAPによるプライベートクラウドを利用する形になります。

③ RISE with SAP S/4HANA Cloud, private edition

 On Premiseと同様の機能となりますが、インフラはSAPによるプライベートクラウドを利用する点と、ライセンスがサブスクリプション形式になります。

④ SAP S/4HANA Cloud, extended edition

 RISE with SAP S/4HANA Cloud, private editionとほぼ同じですが、In-App拡張ができません。

⑤ RISE with SAP S/4HANA Cloud, 旧:essential edition)

 機能が、ERPコア領域のみ機能提供されています。インフラはSAPによる提供された共有パブリック型になり、ライセンスがサブスクリプション形式になります。

①〜④は、同一製品からの関連モデルとなり、⑤は少し異なる派生バージョンとなります。

ERPをクラウド環境で利用することを検討する時代になったということなのでしょうか?

攻めのITと、守りのITをバランスよく実現することが可能になります。

SAP HANA CLOUD(クラウド)の違いをポイント別に整理

5つの種類の説明をしましたが、実際にどのような違いがあるのでしょうか。大きな違いがないように見えてしまうかもしれませんので、もう少し詳しく違いを説明している表が下記になります。

SAP S/4HANA On Premise (Managed by customers)を基準にして、4つの違いをポイント別に整理していきましょう。

ポイント1) HANA Enterprise Cloud

ポイントは2つ、1つ目は、インフラがSAPによるプライベート型になること、2つ目は、バージョンアップは顧客判断ではあるものの実施はSAP社が行います、また、5年に1度のバージョンアップも必須です。カスタマイズ、アドオンなどは、On Premiseと同じです。

ポイント2)RISE with SAP S/4HANA Cloud, private edition

ポイントは3つ、1つ目は、ライセンスがサブスクリプション形式になること、2つ目は、インフラがSAPによるプライベート型になること、3つ目は、バージョンアップは年1回の権利と、5年に1度のバージョンアップも必須です。カスタマイズ、アドオンなどは、On Premiseと同じです。また、Abribaの一部機能や、SAP BTPの一部もライセンスの中に含まれているため、SAP BTP上でのSide by Sideでのアプリケーションの開発でも新たなライセンスが発生することはありません。そういう意味では、過去の資産と最新の機能を試すことができるバージョンとなるのかもしれません。(SAP社も一押しという感じですしね)

ここまでは、機能的には違いはなく、アドオンなども適合性が確認できれば、過去のABAP資産も流用することができるということになります。

ポイント3)SAP S/4HANA Cloud, extended edition

ポイントは5つ、1つ目は、ライセンスがサブスクリプション形式になること、2つ目は、インフラがSAPによるプライベート型になること、3つ目は、バージョンアップは年1回の権利と、2年に1度のバージョンアップも必須です。4つ目は、各ベンダーのパートナーテンプレートの活用には、SAP社の審査が必要になります。そして5つ目が一番影響があると思いますが、In-Appでのカスタマイズはできないため、過去のABAP資産を流用することがでなくなるということです。拡張機能を実装する場合は、SAP BTP上でのSide by Side開発を行うか、別のプラットフォーム上でのアプリケーション開発が必要となります。さらにこのedition には、SAP BTPはバンドルされていないため、別途SAP BTPの契約も必要になります。③ RISE with SAP S/4HANA Cloud, private editionにするかは、要件と価格をみて判断する必要があります。

ポイント4)RISE with SAP S/4HANA Cloud, 旧:essential edition)

基本的には、そもそも機能スコープがことなるので、別物なものと考えるべきと想定しています。既存SAP ERPユーザが利用するというよりは、海外展開、子会社利用などという規模での導入が対象になるのではないかと考えています。

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RISE with SAP S/4HANA Cloud, private editionってなに?

SAP社の資料ではRISE with SAP S/4HANACloud,private edition の定義は以下となっています。

 「進化を前提としたS/4HANA を今後長期的にご活用いただくための現実解」

導入実績(2021/08情報)は、グローバルで1,400社以上、国内でも180社以上が採用しています。

特徴

 ・SAP システムを 早期に安全に 利用開始

   ・インフラの初期構築費用不要でのSAPシステム構築(監視、バックアップ込)

   ・SAP システムにログオンできる状態でのご提供

   ・SAP データセンターの他、 Hyperscaler (AWS, Azure, の選択 が可能)

 ・SAP システムへのログオンまでをSLAで担保

 ・お客様のペースに合わせたシステムのアップグレード

   ・SAPがシステムのアップグレードを実施するも、強制アップグレードではなく、お客    様のタイミングに合わせた実施が可能

 ・システムの塩漬けを回避し、最新テクノロジーとの連携を実現

いくつかのSAPアプリケーションもバンドルされているので、試行などを実施すことが可能

  • SAP Ariba SAP Business Network Starter Pack
  • SAP Asset Intelligence Network SAP Business Network Starter Pack
  • SAP Logistics Business Network SAP Business Network Starter Pack
  • Platform Services SAP Business Technology Platform

この辺りのトータルのメリットを試算するのは、なかなか難しく悩ましい点であると思いますが、変化の早いビジネス環境に対応することを考えると、これまでの考えを変えていく必要があるのかもしれません。

まとめ

S/4HANA Cloud採用で目指す方向性としては、運用モデルシフト、生産性の向上にあると考えます。SAPのマネージドサービスを活用することで、守りのITの生産性を向上させます。

バージョンアップを前提とする製品特性から、自社ではなく、SAPのマネージドサービスを活用してバージョンアップサイクルに追従し、攻めのITの土台を構築することが可能になります。運用モデルをシフトすることで、自社の運用要員の一部の役割を変化させDXを加速することに寄与することもできます。

ここまでの説明でご理解いただけましたでしょうか?

On Premise以外は、5年, 2年, 四半期などバージョンアップが必須となってきます。バージョンアップをするとなると、システムが動作することがSAP社が担保してくれることになりますが、導入企業の担当者様は、業務が問題なく動くのかをテストする必要があります。

この度に人の確保に苦労したり、テストの実施を人の手で行うのは、時間とコストの無駄になるとパソナテック は考えています。パソナテックでは、進化を前提としたS/4HANA を今後長期的にサポートするテスト自動化サービスを展開しています、今から準備して、将来にも活用できるテスト自動化サービスです。人の確保の苦労からの開放と、自動化によるコスト削減を一緒に実現しましょう。

パソナテックではSAP S/4HANAマイグレーションを検討する際に欠かせない、考慮すべきポイントをまとめた入門資料「SAP S/4HANAへの道知っておくべきこと、今からやれること、とは?」をご用意しました。本資料は、SAP S/4HANAマイグレーションへ進む方へ必見の資料です。ぜひダウンロードいただき、ご覧ください。

本記事は2021年8月1日の情報を基に作成しています。S/4HANA Cloudに関する最新の情報やより詳しいお問い合わせは、別途お問い合わせください。

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