SAP Fiori Clientとは何か?

SAP Fiori Clientというものをご存知でしょうか?興味はあるけれど、実際にどういうものかわからない、どういう特徴があるのかを知りたい、そんな方々にSAP Fiori Client(クライアント)について説明していきたいと思います。本記事を読んだ後にはSAPがもっとあなたの身近なものになっていることでしょう。

まずSAP Fiori Clientをご紹介するにあたって、より理解を深めていただくためにSAP関連の前知識を簡単に説明します。SAPやSAP Fioriのことはすでに知っていて、はやくSAP Fiori Clientについて教えてほしい!という方はこれらの説明は飛ばして、「SAP Fiori(フィオーリ) Clientの実態」のところに進んでいただいて問題ありません。

SAPについて

はじめに前知識として「SAP」について簡単に説明したいと思います。SAPというのはSAP社が提供しているERPシステムのことを指します。(「SAP ERP」とも呼ばれています。)

ではそのERPとは何か?というと、ERPとはEnterprise Resource Planningの略称で、企業資源計画と訳されます。これだけですとまだわかりづらいですよね…。もっと具体的な例で説明しますと「人や物、金、情報などを適切に振り分けて、資源を有効活用していこう!」という考え方のことです。

例えば、販売・製造・経理などを別々の部署やシステムで管理していると、全体での生産管理などを把握するときや、まとめる際にはどうしても時間が掛かってしまい、非効率になりがちですよね。そこでSAPシステムを導入させることで、これらを一つにまとめて、資源や時間のムダを省き、業務の効率化を図ろう!というシステムのことなのです。

ざっくりまとめると、SAPとはERPシステムのことで、業務効率をはかろうとするシステムのことをなんだなあと理解していただければOKです。

※SAP社:ドイツのソフトウェア企業のことです。

SAP Fiori(フィオーリ) って何?

次に「SAP Fiori」について説明します。

SAP Fioriとは2013年にSAP社より提供されたUI(User Interface)のことを指します。

こちらもこれだけですとまだわからないかと思いますので、経緯に沿いながらもう少し具体的に説明します。近年SAPの注目は高まり、需要は増えつつありますが、現在のSAPシステムは2027年をもってサービスを終了してしまいます。(この問題は2027年問題とも呼ばれています。)そのため、現在のSAPシステムを導入している企業は新しいERPパッケージの導入(移行)を行わなければなりません。そこでこの2027年問題を解決するべく、新たに導入先として推奨されているのが「SAP S/4HANA」と呼ばれるシステムになります。そしてこの基幹システムに実装されている機能こそが「SAP Fiori」というわけなのです。

ではこの「SAP Fiori」はどういう特徴を持っているのでしょうか。

SAP Fioriは特にUIを使用する際にとても優れているということで話題を呼んでいます。

これまで(SAP Fioriが提供されるまで)は「SAP GUI」と呼ばれるインターフェイスがメインに利用されていました。このインターフェイスは多くの機能が使えるという点で評価されていたのですが、機能面を重視したあまり、かえって画面構造が複雑になり、構造などを理解するために時間が掛かってしまうといった点から使いづらいという意見も多くありました。

SAP FioriはこのSAP GUIの問題点をうまく解決し、よりわかりやすい画面に設計変更しました。わかりやすい画面へ設計されたことで、使用する側はより扱いやすく、開発する側は、Fiori Elementsというテンプレートが提供されたためにSAP UI5やその他JavaScriptを使った開発が軽減され、今まで以上に開発効率を上げることができるようになりました。過去のシステムのデメリットをメリットに変えたということは大きな特徴であり、利点でもあります。SAP Fioriは次世代のSAPシステムとして活躍し、これから更に注目されていくことでしょう。

※「Fiori」とはイタリア語で花という意味で、その名の通りエレガントな機能を数多く携えているということで評価されています。

※「SAP S/4HANA」:SAP社のインメモリーデータベースである「S/4HANA」を標準プラットフォームとして使われているERP製品のことです。まだ作られて新しいシステムですが、すでに多くの企業が導入を始めています。

SAP S/4HANA 導入支援サービス 基本ガイドブック

SAP Fiori Client(クライアント)の実態

ではいよいよ「SAP Fiori Client」の説明に入ります。

これまた英語でなんだかとっつきにくく、難しく感じますよね。しかし難しく考える必要は全くありません。なぜならSAP Fiori Clientとは単に「SAP Fiori のアプリケーション」のことを指しているだけなのです。かっこよくClientとついていますが、普段みなさんが日常で使用しているアプリケーションのことだと思っていただければOKです。

つまりSAP Fiori Client をダウンロードすることでPCがない環境でも、スマホさえあればSAP Fioriをいつでもどこでも利用することができるようになります。SAP Fiori Clientの誕生で私たちはより簡単に、気軽にSAP(SAP Fiori)を使用することができるようになりました。(現在では1万以上ものアプリケーション(機能)が備わっています。)

例えば勤怠の入力や、給与明細、伝票の確認/更新などといった機能も備わっており、日常的な業務も気軽に、手早く操作できます。入力だけではありません。閲覧や検索もこのSAP Fiori Clientを通して行うことができるので、即座に様々な業務内容の確認や連携を取ることなども可能になります。このような点からも業務の効率化や生産性をあげることに貢献できるのではないでしょうか。

以下、SAP Fiori Clientの特徴です。

SAP Fiori Clientの特徴【1】

・直感的なインターフェイスによる、ロールベースの日常的ビジネス機能管理

・データの依頼、承認、追跡、レポートなどのトランザクションの実行

・主要データに対する洞察の獲得およびアクションの実行 

・ファクトシートおよびコンテキスト情報の表示

※画像サンプル(アイコンとログイン画面)

まとめ

・SAPとはERPシステムのことで、業務を効率化させるためのシステムのことです。

・現在のSAPシステムは2027年までに「SAP S/4HANA」システムに移行されます。

・「SAP Fiori」とは「SAP S/4HANA」システムに実装されている機能のことを指します。

・「SAP Fiori Client」とはSAP Fioriのアプリケーションのことを指します。

・「SAP Fiori Client」が誕生したことにより、より手軽にSAPシステム(SAP Fiori)を利用できることが可能になります。

以上で説明は終わりますが、いかがだったでしょうか。

SAPの特徴や利便性を知り、少し身近なものに感じられたのではないでしょうか。

SAPを利用することで私たちは様々な資源の節約を可能にし、業務をより正確に、かつスピーディーに進めることができるようになります。本記事を読んで、読者の方々がより一層SAPのことを理解していただき、興味を持っていただけたら幸いです。SAPアドオン

最後まで読んでいただきありがとうございました。

パソナテックではSAP S/4HANAマイグレーションを検討する際に欠かせない、考慮すべきポイントをまとめた入門資料「SAP S/4HANAへの道知っておくべきこと、今からやれること、とは?」をご用意しました。本資料は、SAP S/4HANAマイグレーションへ進む方へ必見の資料です。ぜひダウンロードいただき、ご覧ください。

引用参考文献

  1. SAP Fiori Clientを入手 – Microsoft Store ja-JP

https://www.microsoft.com/ja-jp/p/sap-fiori-client/9wzdncrd2c40?activetab=pivot:overviewtab

SAP FioriとBTPが理解できる基本ガイドブック
SAP FioriとBTPが理解できる基本ガイドブック