購買業務の大きな助けとなる、SAP Aribaとは何か?

企業において重要な業務の1つに購買業務が存在します。

購買業務システムの特徴として、購買業務を担当する専門部署だけでなく、購買の依頼を出す他部門も関係してくるため、利用ユーザ数が非常に多くなることが挙げられます。そのため、購買システムの簡便さ、扱いやすさは非常に重要な要素であり、課題となってしまいがちです。

本記事では、その課題への大きな助けとなりえるSAP Aribaについて解説します。

SAP Ariba(アリバ)とは何か

SAP Aribaは、電子調達、契約管理、電子購買といった購買管理を行うためのクラウド型Webシステムです。

元は「Ariba」という独立したシステムでしたが、2012年にSAP社の子会社となり、現在はSAPに連なる関連システムの1つとして数えられます。SAPとデータ連携を行うことが可能なため、SAP導入時にSAP Aribaも併せて導入し、電子購買はSAP Aribaを活用する、といった使い方も可能です。

SAP Aribaを他企業と連携するための「Ariba Network」には190カ国、410万を超える企業が参加しており、電子購買の分野では世界一のシェアを持っています。

SAP Aribaの特徴

SAP Aribaの特徴は、下記のようなものが挙げられます。

1.参加している企業数が非常に多く、新たな取引を開拓する機会に成り得る

前述した通り、SAP Aribaには410万を超える膨大な数の企業が参加しています。

参加している企業に対してはAriba Networkという仕組みを通じて見積依頼などの取引をすることが可能なため、ある日突然、海外の名前も知らない企業から見積依頼を受領する、といった事象が発生することも十分に考えられます。

こう書くと、取引先が既に決まっていることの多い日本のビジネス習慣には合致しないのではないか、と思われるかもしれませんが、取引先を指定した形での取引も勿論可能です。

2.Webシステム上で購買に関する業務を完結することが出来る

SAP Aribaでは単に購買を行うだけでなく、その前段階の契約や見積、後処理の請求書処理といった購買に関する業務をAriba上で完結することが出来ます。また、基本的にAriba Networkを通じて取引先との各種連絡が可能であり、「DocuSign」のような電子署名システムと併せて利用することで、Webシステム上だけで購買業務に関する情報を全て管理することが出来ます。

3.UIが非常に簡易で扱いやすい

SAPの購買関連機能は非常に多機能で充実していますが、一般的なWebシステムとは設計思想が異なるため、馴染みのない、利用機会の少ないユーザにはどうしても扱いづらい面が有ります。

その点、SAP AribaはUIの扱いやすさにも重点を置いており、一般的な通販サイトのような「カートに入れる」「注文情報を入力する」といった流れで直感的に購買の依頼を出すことが可能です。

また、標準的な機能よりも更にUIを改善し、ガイドに従っていくだけで見積の依頼を作成することが出来る「Ariba Guided Sourcing」、同様に購買の依頼を作成できる「Ariba Guided Buying」といった新しい機能も追加されており、日々アップデートが重ねられています。

4.SAPをはじめとしたERPシステムとの連携が容易

SAP AribaにはCIG(Cloud Integration Gateway )という仕組みが用意されており、独自で開発することなくSAPなどのERPシステムとの連携が可能です。

そのため「通常の購買業務はSAP Aribaで実施し、SAPの高度な機能が必要な複雑な業務のみSAPで対応する」「SAP Aribaでの実績データをSAPに連携し、SAP側の分析ツールを活用する」といったことが容易に実現出来ます。SAP Aribaは設計思想がはっきりしている分、この後記載するような対応が難しいケースも存在しますが、ERPと連携することで役割を分担し、多様な業務に対応可能です。

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SAP Aribaの導入が効果的なケース

SAP Aribaを導入することで効果的なケースは、下記のようなものが考えられます。

1.電子購買システムを利用するユーザ数が多い場合

前述した通り、SAP AribaのUIは非常に簡易で扱いやすいのが特徴です。一般的な通販サイトと同じ感覚で利用することが出来ます。そのため、システム導入初期の周知・教育に関するコストを大きく削減できます。このメリットはユーザ数が多いほど効果的に働きます。特に間接材購買などで、携わるユーザ数が多い場合に有効です。

2.購買業務そのものを改善・改革したい場合

SAP AribaはSAPとデータ連携することで、購買に関するデータを一元管理出来ます。そのため、購買業務全般にわたるデータを集積して分析することで、業務を効率化し、コスト削減につなげられます。

また、SAP AribaはAriba Networkを通じ、新規の取引先の開拓や、日本の商習慣にはあまり馴染みの無い調達方法を実施することができます。

総合すると、購買業務そのものを改善・開拓したいという意志が明確な場合に、SAP Aribaは有力な選択肢に成り得るでしょう。

SAP Aribaでの対応が難しいケース

優秀な電子購買システムであるSAP Aribaですが、システム設計上対応が難しいケースも存在します。下記に代表的な例を記載します。

1.電子購買システム上での在庫管理が必要な場合

SAP Aribaには在庫管理の概念が存在しません。そのため、例えば在庫の数が一定数を下回ったら自動的に発注を行う、といったことは対応が不可能です。

2.MRP(Manufacturing Resource Planning、資材所要計画)に対応する必要が有る場合

在庫管理の概念が存在しないため、MRPに応じた自動発注なども同様に対応が不可能です。MRPへの対応が必要になるような大規模な直接材の調達などは、SAP AribaよりもSAPで行った方が円滑に業務を遂行出来るでしょう。

まとめ

以上、簡単ですがSAP Aribaについてのご紹介でした。

日本ではまだ馴染みの薄いSAP Aribaですが、多くの国・企業で導入されているシステムであり、そのネットワークに参加することは大きなビジネスチャンスにも成り得ます。また簡易でわかりやすいUIは、日々の購買業務の工数を削減する大きな力となってくれるでしょう。

SAPの導入を検討されている、もしくはSAPのマイグレーションを検討されている方などは、これを機会にぜひ一度導入の検討をされてみてはいかがでしょうか。

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